THE LOOONIES’ ADVENTURE

Character © 2008TTTG


THE LOOONIES

遥か3000年の未来、ロックはまだ生きていた!!
母なる地球に還る壮大な旅。
愛を伝える“LOOONIES”の冒険物語




☆最初から読みたい方へ☆
物語のトップは→←をクリック!!


『伝説完結』


長い間ご愛読ありがとうございました。
壮大な旅の驚くべき結末をお見逃しなく!


★英語版★も登場!!
CHECK IT OUT!


■INDEX■

まとめ読みをされる方のために、目次を作りました。
お好きなページをクリック!


第1章 NO WAY OUT !
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]
第2章 ドバイ〜砂上のゲート
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]
第3章 オーストラリア〜巨石の惑星
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]
第4章 神話の森
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]

第5章 真実の泉
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

最終章 満月の審判
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]
[17] [18] [19] [最終回:前編] [最終回:後編] [エピローグ]全編完結!




◆ありがとうございます!36万PV達成!!◆


◆NEWS!!◆
11/11,12にシンガポールで開催された
「ANIME FESTIVAL ASIA 2011」
経産省のCOOL JAPAN BOOTHに
THE LOOONIESが出展されました!!


2009年02月01日

第1章 NO WAY OUT !<プロローグ>〜<1>

Story By ワダマサシ

<プロローグ>

「走れ!!こっちだ!こっち、こっち!」
手に持ったトレードマークの黒い中折れハットをバサバサと旗のように振り、エース(ACE)が20メートル後ろを走るスカー(SCAR)に大声で叫んだ。「追いつかれるぞ!」
「ハアハア…!オレなら大丈夫だ!お前こそ、振り返らずに走れってんだ!」長身のスカーが通行人にぶつかり、転倒する。「痛ててっ!す、すいません」
市場のある大通りから狭い裏路地に入ると、人混みがさらに増えてもう走るどころではない。
「あの野郎、ったくトロいんだから!立て、早く!」
すばしっこいエースは、まるでボールを抱えたフットボールのランナーのようにステップを踏み、人を掻き分けて進む。
――ピー、ピピー!!耳障りなホイッスルがすぐ後ろに聴こえた。
「コラ、止まれ!!パンクども!」スカーの10メートルほど後ろには、ポリス達が血に飢えた猟犬のような表情で迫っている。「公務執行妨害、騒音防止条例、おまけにBB(ブレイン・ブロイラー)法違反だ!」
「誰がパンクだ!街角で、ロック演奏してどこが悪い!ボランティアだっつの!」
路地からさらにビルとビルのせまい隙間へ――エースもスカーも“ニュー・シブヤ”のセンターガイは自分の庭のように知り尽くしている。
――ヒューンヒューン…
ビルの地下のパーキングに三角獣の形のモービルが、二人を待ち構えて唸りを上げていた。
「早く乗れ!!」運転席のハンマー(HAMMER)が逞しい腕で、仲間をモービルに引っ張り上げた。
「ふう。ハンマー、楽器は?オレのギブソンどうした?!」
「心配するな。いつもの倉庫に隠したから」
二人が乗りこんだ次の瞬間、高圧電子銃を持った警官たちがパーキングの非常口から飛び出してきたのが見えた。
「止まれ!!撃つぞ!」
「けっ!当たるかよ」
猛スピードで発進したモービルのすぐ横を、蒼い光がかすめていった。

 *

――スペース暦3010年。
おうし座のプレアデス星団の平凡な恒星系に属する、岩だらけの褐色の惑星。
この物語のオープニングの舞台、人類最新のスペースコロニーは、そんな辺境の星にあった。
宇宙空間の植民地に辺境という形容はあたりまえ過ぎて申し訳ないほどだが、彼方へ彼方へと生存圏を広げていった人類が、最も遠方に構えた居住スペースこそがこの惑星なのだから仕方がない。
それにしても故郷とは到底似ても似つかない天体に、重力と自転周期がそこそこ近いという理由だけで強引に棲みつき、クラシックな名前をつけて過ぎし日々を懐かしむなんて、人類とはなんと不思議な生き物なのだろう。
ご多分に漏れず、この惑星に建設された6つの都市ドームの名前も、“ニュー・シブヤ”、“ドバイ”、“ペキン”、“ローマ”、“バルセロナ”、“ロンドン”。
おまけにこの惑星の名前が「ユーラシア」ときたもんだ。
地球を飛び出してかれこれ3000年近くも、この生き物はそんなことを飽きもせずに繰り返している。
そんな途方もない時間を使ってまで手に入れたかったものとは、いったいなんだったのか。
新たな土地?それとも富?
それにしても、なぜそれが必要だったのだろう…?
いつの世でも、歴史は現在(いま)を生きるだけの庶民が興味を持ちにくい謎を残すものだ。
今では、生まれ故郷を飛び出した本当の理由さえ、一部の学者を除き語るものもいなくなっていた。


第1章 NO WAY OUT

  <1>

チョコレートを溶かしたような漆黒の夜空に、赤茶色の下卑た月がご丁寧に四つも並んでいる。
ここは、都市ドーム“ニュー・シブヤ”の高台のサイゴウヤマ公園。――機械仕掛けのカルキ臭い風がいつものように吹いていた。
ダウンタウンから金属音を上げて疾走してきたモービルが、公園前に音もなく停車する。
ポリス達をコケにした3人の若者が意気揚々とモービルを降りて、夜気に冷えたベンチに並んで座った。
「へっ!楽勝だったな。ヤツら、今日は捕まえる気十分だったが軽く逃げ切ってやったぜ」スカーが軽口を叩く。
「お前、もう少しで、ポリ公にケツを噛まれるとこだったクセに」ハンマーが言った。
「しかしさ、基本的なコトを訊くようだが…」スカーが不満そうに口を尖らせて訴える。「オレ達が街中でロックを演奏するのって、そんなに悪いことか?ポリスが目くじら立てるほどの大罪?」
「うむ。キライな人から見れば、オレ達の高尚な音楽もただの騒音さ」ハンマーが言った。「しかも歌詞がいけないらしいぜ。アジってるんだって?」
「アジるって?」スカーは素直すぎるせいか、幼児のような質問が多い。
「扇動してるってさ。善良な大衆の皆様をね。みんなブロイラーチキンみたいにいい子のままでいて欲しい。そうすりゃ中央政府は満足なのさ」
「フンフン、フン…、この街抜け出そう、今ならやりなおせるさ…フンフン♪」一番小柄なエースが、ドサクサ紛れに究極にダサい歌詞をフザケて口走った。「駆け抜けるぜい、闇夜の向こうへ…ウッフンフン♪」
「ウハッ!なんだよ、それ!?」スカーが、眉をしかめたついでに空を見上げ言った。「最悪だな」
「最悪って何が?」ハンマーが太い腕を広げ、スカーに訊ねる。「エースのいつもの鼻歌?それとも、あの気味の悪い空か?」
「もちろんその両方」とスカーが答え、「やっぱりな」とハンマーが溜息をつく。
けなされたエースが、仲間達を交互にまじまじと見た。
「おい、ハンマー。お前の体重はたしか72キロだけど、地球では7%以上重くなるってコト、知っているか?」エースは、隣の太い腕の男にウンチクを垂れた。「あと5キロほど質量を落とさないと、地球では息が切れてドラムを叩けねえぞ。フ、フンフン♪」
エースは若者にはめずらしく歴史と雑学知識が、鼻歌と同じくらい大好きな男だ。
「くだらねえ。マジくだらねえ。それに、セリフの後に毎回鼻歌いれるのやめろっつの。めんどくせえ」ハンマーが頭を掻き毟って言った。
「わかった。少し回数減らす。フンフン♪」
「ああ、イライラしてきた。お前のその身長も地球に行ったら、頭の重みで6%ほど縮むことだろうよ。せいぜい粉ミルクでも飲んで骨を伸ばせ。っていうか、400光年も離れた地球にいく機会なんて永遠にある訳ないんだから、オレの体重なんかどうだって関係ねえだろ!」

Character © 2008TTTG
メートル、グラム、リットル。
遥か太古の昔――グレゴリオ暦紀元18世紀末のフランスという国で生まれたメートル法もまた、不思議なことに3300年経った今日に至るまで立派に生き残っていた。
それは、人類が恒星間を距離という概念を超越してトリップするとんでもない技術を手にしてからも、そのDNAのどこかに先人に対する尊敬や畏怖の念を刻んでいたからに違いない。
宇宙空間の距離を示すLY(ライトイヤー・光年)という単位も、厳然として存在していた。
1LY―9.46ぺタメートルとは、1地球年、つまり31,557,600秒の間に光子が真空中を通過する距離。
そんな過去の天体を物差しにした単位が、このコロニーに住む人々に今でも使われている。
人類は、自分達が遥か昔に捨て去った故郷を永遠に忘れないために、その度量衡を残したのかもしれない。それはまるで、記念碑か墓標のようなものだった。
そして、このデコボコ3人組はそんな人類の懐古趣味的な本能を、平均の何10倍も多く受け継いでいるタイプだった。

「あのさ…」長身のスカーが、仲間の会話に割って入るようにポツリと言った。
艶消し加工の金属で舗装された高台の空き地から、ダウンタウンの蛍光色の無機質な街明かりが遠くに見える。
「お前らはここが好きなのか?」スカーが、二人の仲間に訊ねる。「時々けっこう楽しそうにしてんじゃないか。死ぬまでここにいるつもり?まさかな…」
不自然な人工風が、ハンマーの髪を揺らした。
「またその話かよ?じゃあ逆に訊くが、他にどこか行くところでも?」
「ここが好きかってハンマーに訊くのは、酷ってもんじゃねえか?」ベンチから立ち上がり、エースが肩をすくめてスカーに注文をつける。「好きか嫌いかは、比較するものがあってこそだ。このカナヅチ君は、ここしか知らねえんだからな。フンフン♪」
「そのとおりだ。どうせ、どのドームも似たりよったり。どれもベストじゃねえが最悪でもない。それがこの糞コロニーに関しての、オレの率直な感想だな」ハンマーが言った。
「ゴホン…。お前らは何もわかってねえな」
スカーがもったいをつける動作で擬似皮のジャケットのジップを開き、1枚の古代紙のプリントを大切そうに取り出した。「オレは“ニュー・シブヤ”のコトを言ってるんじゃない。この“惑星(ほし)”そのものが大キライだって言ってるの!」
「またまた。ご冗談を」
「これを見てみろ」スカーは、禁止されているオールドフォトを街灯にさらした。「CGじゃねえぞ」
「ス、スゴイ!」
それは真っ青な海に沈もうとする、神々しい太陽の姿。
手前の白い砂浜には、見た事もない“植物”の、すだれの様な美しい葉が写りこんでいた。
遺伝子の中に隠された帰巣本能を強烈に刺激された2人が思わず叫ぶ。
「なんなんだよ、これは…!?巨大な藻(クロレラ)か?」
「バカ!これが噂の、椰・子・の・木…、これマジで生きてるんだぜ。そしてバックの蒼い色が“海”ってわけだ」
「下の方に“MAUI”って書いてある」ハンマーが訊ねた。「おまじないの言葉だろうか?」
「ああ。多分な…宗教関係だろ」
「どこでこんなものを手に入れた?!」エースがフォトをひったくるように掴んで訊いた。
それは、人類が遥か過去に捨て去った「マザー・アース」の美しい肖像。
人々を規格化して統制する中央政府が、なぜか禁止している地球の実写映像を目の当たりにして、自然に瞳が潤んでくる。
「ファンの女の子が、ライブの後でそっと手渡してくれたんだ。オレが“LOVE”を完璧に理解する“ヒューマン”だって感じたんだろう」
「それにしても、これほど程度のいいプリントは初めて見た。保存状態が完璧じゃないか」ハンマーが言った。
エースは頬ずりをせんばかりに、写真にうっとりと魅せられていた。
「いつかこの目で“海と椰子の木”ってやつを絶対にまとめて見てやる!」
エースが決意のこもった低い声でそう呟いたその瞬間、それはこの3人の共通の“夢”から“ハードでリアルな目標”に変わっていた。


NO WAY OUT<2>へ続く…

この小説はランキングに参加しています。
LOOONIES を応援する方は下の“2つの”バナーをクリック!!
ランキングが確認できます。
▼▼▼

にほんブログ村 小説ブログ 冒険小説へ
にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ



ワダマサシ(本名:和田将志)
「HEART×BEAT]事務局発起人。
東京都出身、慶應義塾大学商学部卒。
ビクター・エンタテインメント、ソニー・ミュージックで
長く音楽制作業務に携わる。
2004年シンク・アンド・リンク(株)設立。
2007年逢谷人(おうや・じん)のペンネームで
処女作にして700枚超の長編小説「エンジェル・ハンズ」執筆。
ブログ村サスペンス小説ランキングで1位に。
同年、続編の「ファイアー・ウォール」完成。
同時にソニーミュージックとシリーズの原作契約締結。
2008年秋、三部作最後の「タイム・キラー」完成。
現在、映画化へ企画進行中。



posted by THE LOOONIES' ADVENTURE at 10:30| Comment(4) | THE LOOONIES ADVENTURE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
華代子さま、ありがとうございます。

早めの更新目指してます。
期待していいて下さい。

ワダ
Posted by 「HEART×BEAT」事務局 at 2009年02月13日 22:03
ともさん、ありがとうございます。
レス遅れてすみませんやっと余裕が出来ました…。

書籍化ですか?
そうなるように面白いものを書きま〜す。

ワダ
Posted by 「HEART×BEAT」事務局 at 2009年02月13日 22:02
先が楽しみです!
気が早くてなんですが、書籍化して欲しい〜!!
Posted by とも at 2009年02月06日 23:02
いつのまにやら、THE LOOONIESの新しい小説が始まっていたのですね!びっくりしました(笑)。更新を楽しみにしています! 
あと、一位おめでとうございます☆応援してます!!!
Posted by 華代子 at 2009年02月04日 17:51
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。